
2026年8月20日(木)、歴史的衣装マリアノ・フォルチュニ「デルフォス」の学内見学会を開催しました。

公開されたのは1915年に制作されたプリーツドレス。コルセットで締めつける19世紀の装いから女性を解放した革新的な一着として知られ、良好な状態で現存する「デルフォス」は世界的にも稀で、美術館へ貸し出されることもある貴重な作品です。
今回は所有者であるスタイリスト・酒寄幸一氏ご自身が作品を持ち込み、その詳細を直接解説していただく特別な機会となりました。
■イッセイミヤケにも通じる、貴重な一着

今回公開された「デルフォス」は、一説には、イッセイミヤケ「プリーツ プリーズ」の発想源のひとつとも言われる一着です。数回の着用でもプリーツが失われるほど繊細な絹素材のため、良好な状態で現存する作品は世界的にもわずか。その多くが美術館などで厳重に保管されており、実物を目にできること自体が稀です。

今回は特別に、通常は美術館でも見ることのできない衣装の裏側まで間近で観察でき、参加した教員や学生からは驚きの声が上がっていました。
■マリアノ・フォルチュニ「デルフォス」とは
マリアノ・フォルチュニ(1871–1949)は、スペインに生まれ、イタリア・ヴェネツィアを拠点に活躍した芸術家です。絵画・写真・舞台美術・発明・テキスタイル創作と多方面に才能を発揮し、「近代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも呼ばれました。
代表作「デルフォス」は、古代ギリシャのブロンズ像「デルフォイの御者」に着想を得た、細やかなプリーツ加工の絹のドレス。コルセットで締めつける19世紀のドレスから女性を解放する象徴ともなりました。そのプリーツの製法は現在でも完全には解明されておらず、「ミステリープリーツ」とも呼ばれています。
■所有者・酒寄幸一氏について
酒寄幸一氏は、1989年よりスタイリストとして活動。X JAPAN・Toshi氏のCDジャケットやミュージシャン・タレントの衣装スタイリング、雑誌「Boon」専属スタイリストなどを手がけてきました。現在はヴィンテージ服やスニーカーのイベントにも出演。イタリアの巨匠マリアノ・フォルチュニの貴重なプリーツドレス「デルフォス」を個人で所蔵しています。